笛田亜希
Aki Fueda

2001年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。故郷である東京武蔵野に愛着を持ち、関連した数多くの作品を制作。中でも、吉祥寺にある井の頭自然文化園にいた象のはな子は、長年、絵画や立体の作品として何度も発表、はな子が亡き後には、JR吉祥寺駅に笛田によるブロンズのはな子像が設置された。動物や昆虫、植物などか弱くて逞しい生き物に対して深い愛情があり、天才的技術をいかんなく発揮するその作品は、絵画(油彩、水墨、水彩)、立体、それらを用いたインスタレーションなど多岐にわたる。

http://www.akifueda.net/

https://apj.nft.rakuten.co.jp/artists/akifueda/


巣から落ちた雛

巣から落ちたカラスの雛を、和紙に墨で描いています。この雛は、ハシブトカラスの雛で、都心では駆除対象なのです。まだ上手く飛べず、尾が擦り切れていますが、飛ぼうと空を見上げています。墨で描くことは簡単なようで、実は高い技術力が問われます。笛田亜希は、黒色のグラデーション、墨の濃淡を上手く使い、幼いカラスの儚げな様子、さらに羽の1枚1枚を、丁寧に描ききっています。やり直しがきかない、墨絵の魅力が伝わる作品です。

はな子-運動場

笛田亜希は幼い頃から、井の頭自然文化園にいたゾウのはな子を描き続けてきました。 はな子は第2次世界大戦後に初めて日本にやって来たタイのゾウで、日本では最も飼育期間が長かったのですが、残念ながら2016年に亡くなりました。ゾウ舎の建物の前に小さくはな子は描かれていますが、背景にはアフガニスタン産ラピスラズリを使い、タイが日本とアフガニスタンのちょうど中間にあって、空でつながっているというイメージです。笛田亜希のはな子への愛情が感じられる作品となっています。


トラジロウ(ツシマヤマネコ)

ツシマヤマネコのトラジロウを描いた作品。笛田は、ヤマネコに興味を持ち、対馬まで、足を運んだほど。実際に描いたトラジロウは、井の頭自然文化園にいたツシマヤマネコだそうだ。日本ではイリオモテヤマネコとツシマヤマネコしかいないが、絶滅危惧種に指定されている貴重な動物。実際のトラジロウは、愛らしい振る舞いで、人気が高かったという。 毛の一本一本まで描いて、愛らしいトラジロウの雄姿は、誰もが惹きつけられる。

「トラジロウのNFT作品販売を通してツシマヤマネコの保護を!」 トラジロウのNFT作品の売上の一部はツシマヤマネコの保護団体に寄付する予定です。

はな子

笛田が幼稚園の頃から、井の頭自然文化園で見るようになった象のはな子。何度も通い、絵を描いていたため、はな子も笛田のことを認知していたようで、笛田が象舎に到着すると、いかにも挨拶をするかのように、右の前足を挙げたそうだ。残念ながら、2016年に69才で亡くなった。その後、吉祥寺駅北口にはな子像が完成。その立体作品も笛田の手になるものである。さらに、はな子の故郷はタイ。在日タイ大使館の入り口にも笛田による「はな子」の絵画作品が飾られている。

「尾道 天寧寺」「尾道 鐘楼」