入澤あづさ Azusa IRIZAWA
入澤あづさ Azusa IRIZAWA
“自然のかたちと漆の関係”をテーマに、自然物の構造やエネルギーなどを読み解き、自然物と漆造形が融合した作品を制作している。
《遥かなる音色》シリーズは、貝から着想を得た螺旋構造のフォルムを折り紙の原型制作を通じて導き出し、漆造形と貝の新たな関係性を提示した。また、伝統的な加飾技法である「螺鈿」の発想を転換し、貝の形状を取り込みつつ漆の艶が美しく見える造形を追求し、光の装飾的効果の創出を試みている。
同じく螺旋構造から展開した《ににふに》シリーズは、光と影をともなう表裏一体で成立する形状であり、不可分な自然界の事象を象徴した造形となっている。美しい曲線と輝きが入澤作品の最大の魅力であるが、漆黒の輝きの中に、ささやかで上品な曲線や輝きが見えると、本当にドキドキしてくる。
Biography
1983 大阪府に生まれる
2018 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程修了 博士号(美術)
「国立劉粟海美術館企画展 京都工芸美術展」国立劉粟海美術館/上海
2019 京都市産業技術研究所伝統産業技術後継者育成研修「漆工応用コース」修了
個展「URUSHI Exhibition 」GALLERY恵風/京都
2021 「京都工芸美術作家協会展@東京―京都が、KOGEIするー」松坂屋上野店/東京
「Asian Art in London」ロンドン/イギリス
2022 「第3回 野外工芸美術作家展」京都府立堂本印象美術館/京都
現在 京都工芸美術作家協会会員
Awards
「第1回ぎふ美術展」 工芸部門ぎふ美術展賞(岐阜県美術館/岐阜)、一般社団法人日本漆工協会 漆工奨学賞、京都市芸術新人賞