坂井直樹 Naoki SAKAI

金鎚を使い思いどおりのカタチに近づけていくという長い作業の中で、重く冷たくのし掛る「鉄」の感覚が、まるで正反対のものとして生まれ変わっていく瞬間を、手の中で感じ取りながら、ひとつひとつカタチにしていく。そんな素材と対話しながら、どこか心が落ち着く「モノ」を生み出していく。
人は工芸に「用」だけを求めたのではなく、「美」を求めた。つくり手は求められた「美」に対し、「つくる」喜びを手に入れた。この関係が「人間」と「もの」を繋げる高い芸術精神を育んできた。その環境にものつくりとして身を置けることに喜びを感じる。

Biography
1973年 群馬県前橋市に生まれる
2003年 東京藝術大学大学院博士後期課程鍛金研究室修了、博士学位取得
2003~2005年 同大学にて非常勤講師
2005~2008年 金沢卯辰山工芸工房にて技術研修
2010~2012年 金沢大学非常勤講師
2011~2012年 金沢美術工芸大学非常勤講師
2013〜2018年 金沢卯辰山工芸工房専門員
2019~現在 東北芸術工科大学美術科工芸コース准教授

Awards
2003年 野村美術賞受賞(東京藝術大学美術館収蔵)
2012年 財団法人美術工藝振興佐藤基金淡水翁賞 優秀賞
2016年 テーブルウェア大賞 大賞・経済産業大臣賞
2017年 日本伝統工芸金工展 朝日新聞社賞
2018年 ドイツベルリンフンボルトフォーラム茶室デザインコンペ最優秀賞
2021年 金沢市文化活動賞