畑山太志 Taishi HATAYAMA

目には見えないものをいかにとらえることができるのだろうか。森の中に足を踏み入れたときや、樹齢何十年の樹木を目の前にしたときの空気感や存在感は、人間の目には見えないが身体を通してたしかに感じとれるものである。その目に見えないものは、その他のものと切り離されて独立して存在しているものではなく、見えるものとともに共存していて、その両者があることで、私の身体はそれらを感じとることができるのだと思う。私は絵画を通じてその両者を等しく見つめる。

 

 畑山太志 Taishi HATAYAMA

1992年神奈川県生まれ。2017年多摩美術大学大学院美術研究科博士前期(修士)課程絵画専攻油画研究領域修了。風景のなかにある不可視の存在への興味から白色の筆触で緻密に描いた作品で注目を集め、飛び交う光を思わせる色彩豊かなシリーズに展開している。(元の文削除:白地に白で描いた樹木のような作品で注目を集め、カラフルなシリーズに展開している。)近年の主な展示は、「Practice_01: 線を引く」(EUKARYOTE、2019)、「paranature」(EUKARYOTE、2018)、「網膜と記憶のミトロジー」(セゾン現代美術館、2018)、個展「時はぐれ」(SEZON ART GALLERY、2017)。主な受賞に、福沢一郎賞(2015)、TURNER AWARD 2014優秀賞(2015)、第1回CAF賞優秀賞・名和晃平賞(2014)などがある。