須永有 Aru SUNAGA

人間は光によって、ものを見ることができるが、光があれば必ず陰影も発生する。
西洋絵画は陰影の形を捉えることで物の立体感を表している。
影を描くことが、光を描くことでもある。
芸術自体、美しいものばかりを表すものではない。
見たくないもの。
生きる上で踏みつけにしているような存在。
人は自分自身の醜さや狡さを見ないわけには生きられない。

そのような影も表すことができるのが、芸術ではないかと思う。

私は人影をなぞる絵筆をモチーフとして絵画を描く。
影さえも照らして露わにして掬う、そんな絵を描きたいと思う。

 

須永有 Aru SUNAGA

1989年群馬県生まれ。東京藝術大学大学院絵画専攻修士課程修了。現在、茨城県の共同スタジオ航大にて絵画を中心に制作。ダイナミックな構図と絵の具の力強い筆致は絵画ファンからの支持を集めつつある。主な展示は「絵筆で照らす」(un petit GARAGE、2019)、「本と美術の展覧会vol.1 」(太田市美術館・図書館、2017)など。主な受賞は、群馬青年ビエンナーレ2019入選、TERRADA ART AWARD 2014最優秀賞、第1回CAF 賞優秀賞・山口裕美賞(2014)がある。