平井武人 Bujin HIRAI

f450はレイ・ブラッドベリの小説「華氏451」から触発されてつけた名称である。
「華氏451」は近未来の焚書の話であり、その温度は紙が発火する温度を示している。
Fahrenheit(華氏) 450 = f450 は比喩的に「紙」という物質が発火して「別物」に変容する直前のポイントを示す。
「紙に象徴される物質(アナログ)」と「デジタルデータという非物質」の境界線を意味している。
私はアナログ/デジタルどちらの領域も横断した作業を行いたいと考えており、それを示す名称として「f450」と呼称している。

 

平井武人 Bujin HIRAI

1964年生まれ。群馬県出身。東京藝術大学美術研究科修了。1988年兵藤忠明とH et H(アッシュエアッシュ)を結成。自身の写真を使った大型インスタレーションなどから始まり、書籍とIT技術を重ねた、知的な作品を多く発表。プロジェクトf450を個人で並行して行う。近年は個人プロジェクトもH et Hの作品として組み込んでいる。主な展覧会は、「ENTROPY」(東京藝術大学陳列館、1991)、「The Homeostasis」(レントゲン藝術研究所、1992)、「Theme: AIDS」(Henie Onstad Kunstinstitut、1993-1994)、「Closure」 (Axis Gallery、2002)、「f450 Number Book」(un petit GARAGE、2018)。