川村のり子 Noriko KAWAMURA

 我流で本金継ぎを愉しみつつ、修復師に漆継ぎを学び、滋賀県蒲生郡日野町にある築240年の近江商人宅の離れに、藤村本家 漆・金継ぎ工房を開きました。
 漆は縄文時代から修復に使われてきました。素地を傷めることなく修復を繰り返しながら後世に引き継ぐことができるよう、強度と質感に優れた日本産漆と自然素材を用い、破損した陶磁器やガラス、木製品などを修復しています。
 修復は壊れを直すことが本来の目的ですが、割れや欠けを隠さず活かすことで、それらが作られ使われてきた時代や暮らし、またご依頼主の想いも次世代に繋いでいきたいと思っています。

 川村氏は、漆と天然素材のみを用いる本金継ぎを行なっています。金継ぎは工芸でもありますが、機能が失われたものを復活させ、新たな光を見出すコンセプチュアルアートでもあると捉えています。

Biography
1965 東京生まれ
1986 武蔵野美術大学短期大学卒業
2019 藤本本家 漆・金継ぎ工房 開業