田中望 Nozomi TANAKA

神宮の杜は、「永遠の杜」として次世代につないでいくという思いのもと、百年先を見越してつくられ、大切に育まれてきたのだと知り、永遠先の杜の姿を想像し描いてみたいと考えた。もしもこの先の未来、地球全体の気温がどんどん高くなって、日本の大部分がふたたび海に沈んだら、永遠の杜はどのような姿になるだろうか。暖かい海の底で、そこに生きる様々なものたちと、新たな共生関係を築いているかもしれない。

 

 田中望 Nozomi TANAKA

1989年生まれ。仙台市在住。2017年、東北芸術工科大学芸術工学研究科芸術工学専攻博士後期課程修了。2012年より各地のアートプロジェクトに参加し、現地での体験・取材をもとにした作品制作を行う。風土・歴史・社会事象などの総体としての「場所」を対象に、自らの体験をも含めた複合的な視点からアプローチし、「場所」との交渉の中から生まれる問いや表現について考えている。主な表現方法は絵画。主な展覧会に、田中望展「潮つ路」(横浜美術館アートギャラリー1・Cafe小倉山 / 神奈川)、アートみやぎ2019(宮城県美術館/宮城)などがある。