新宮州三  Shuzo SHINGU

 新宮州三  Shuzo SHINGU

鑿(のみ)や鉋(かんな)を使い形を削り出す刳物と呼ばれる技法から、轆轤を用いて形を作る挽物といった木地作り、そして漆を使った仕上げまで一貫して自ら制作する。

新宮州三氏は神戸生まれの木漆芸作家。木地から仕上げまで自分で手がけ、ざっくりした肌合いの作品からは、木の塊を鑿や鉋で削っていく作業が好きなんだなというのが伝わってくる。輪島の漆作家、赤木明登さんの工房での同じ作業の反復で技術を身につける「数仕事」のアルバイト、そして木工作家で国の重要無形文化財技術保持者である村山明さんに木地仕事「刳り物」(くりもの)を学ぶという双璧に師事。京都の山奥から出てきた山男のような風体からは想像し得ない、繊細さと漆に関する研究、のみならず実験を繰り返してマイペースに体得していく晩成型の作家である。

Biography

1973 兵庫県神戸に生まれる
1996 京都精華大学 美術学部卒業
1997 輪島漆芸技術研修所 専修科 卒業
1999 宇治に移り木工芸家 村山明に師事
2006 独立