設楽享良 Takayoshi SHITARA

 

設楽享良 Takayoshi SHITARA

日頃は食器、花器の制作をしていますが、この数年「文房具・陶軸筆」に没頭しました。 筆管制作の技術面、殊に焼成方法などの未経験部分は、量産で使われている道具や技術に学び積極的に取り入れました。 器作りの中で展開してきた意匠やアイデアを整理して、この限られた小さな円筒形の世界に構成してみると、やはり自分らしい姿に仕上がっています。しばらくの間、作風の展開を楽しみたいと思っています。 (陶軸筆・穂首は筆匠平安堂にご協力いただきました。)

設楽享良氏は、現代の蛍光管の下の食卓で見た李朝磁器のような、広葉樹の灰からつくる釉薬で出した微妙な青白さが現代的であり、生活に密着した蓮華や文具四宝など、風土性や民族性を現代に取り入れ、洒落たものにするセンスは秀逸である。ノストラジックで素朴な味わいは生地を素焼きせずに釉薬を掛ける生掛けのなせる技なのか、氏の地についた生活をこよなく愛する知性なのか。

Biography
1957 神奈川県川崎市生まれ
1981 早稲田大学卒業 滝田項一に師事入門
1986 栃木県喜連川の仮寓に築窯独立
2022 矢板市に工房を新設、転居
2018 国際交流基金事業・エジプト国立大学3校にて日本焼物文化レクチャー、ワークショップ指導を行う

Awards
日本陶芸展入選
国画会工芸部新人賞
日本民芸館展奨励賞
益子陶芸展審査員賞
栃木県立美術館「千年の扉展」出品
益子陶芸美術館「展開するチカラ展」出品
NHK-BS「器・夢工房」放映