谷穹 Tani Q

 谷穹 Tani Q

1977年滋賀県生まれ。 2007年双胴式の穴窯を築窯、 2012年に現在の単室式の穴窯を築窯し、 室町期の焼成方法を探る。 現在も信楽と古信楽について研究中。 「日本においてやきものは哲学と同様の役割を持っている。 内側に向いた美意識は時間を持たず、 やきものを通じてアップロードされている。 だからコードを入手出来た時、 やきものは言語を持たないよみものと化す。 本来「信楽」”奉納”の感覚をもった特異なやきものだったと考える。 美意識が人に向いていない点が重要である。 その技術はある水準を越えるために意識されてあると、 技術そのものが私に語りかける。 私が変えたものは、まずは方向性である。 水準を越えた時、その瞬間の空間を蓄え時間を超える。 だからそれらはここにあって、ここにはない。 現代において「信楽」は音のない音楽のようでありたい。」

谷穹氏は、弛まなく続いていく時間の流れを感じる作品を作られている。古いものをよく見て、研究して根のしっかりした作風は時代を超える声になっている。過去と未来と現在は一線で繋がるということが感じられ、現代とは思えない穏やかで暖かくたおやかな時間の流れはどことなく氏の窯のある滋賀の歴史古さを感じさせる。

Biography
2015年 「これからの、未来の途中ー美術・工芸・デザインの新鋭11人展」 /京都工芸繊維大学美術工芸資料館(京都) 「ロロ一ロロ」/京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都) パブリックコレクション ポートランド美術館(U.S.A) 兵庫陶芸美術館(兵庫)
2017年 「泥仲間」/中ハシ克シゲ×谷穹/ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
2018年 「守破離」/堀尾貞治×越野潤×谷穹/ギャラリーあしやシューレ(兵 庫)
2019年 「Air」/NOTA_SHOP(滋賀)
2020年 「健在する日本の陶芸 ─不如意の先へ─」/益子陶芸美術館(栃木) 「リエゾン」/桑野聖子×谷穹/ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
2021年 「No Man’s Land-陶芸の未来、未だ見ぬ地平の先-」/兵庫陶芸美術館 (兵庫) 「第15回パラミタ陶芸大賞展」/パラミタミュージアム(三重)